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何事も経験することが大事だと言いますが・・・


私は今までこの『経験』という言葉を、なんだか大きな物事を 経験している・していない というイメージでとらえていたように思います。

でも、今は、そのイスに座ったことがあるか居心地の良いレストランで過ごしたことがあるかなどとというのも大事な『経験』なんだということを感じています。


値段だけを見て 「高級な椅子だ」 という判断は、誰にでもできます。
でも、なぜその値段がするのかという理由を説明できるかは、やはり「経験」しているか否かが関わってくるのではないでしょうか。
もちろん机上の知識でも、かなりの説明はできます。
しかし、頭でっかちな説明より、
「そのイスを10年使っているけれど、とても座り心地が良くて気に入っているよ。
使えば使うほど愛着が湧いちゃってね」
などという一言の方がずっと説得力がある時もあるはずです。


なぜ、突然こんな話をしているかというと

先日、デンマークの生活スタイルや住まい方などについて、お話を聞く機会がありまして・・・


弊社の取引先である 【カールハンセン&サン ジャパン】 【スカンジナビアンリビング】
【タルジェッティポールセン(ルイスポールセン)ジャパン】 それぞれの東京オフィス 
(ショールーム)に伺い、商品を見ながらお話を伺いました。

そのお話の中で、共通して私の印象に残ったのが、  「経験」 というキーワードでした。


たとえば照明器具の場合、日本では、一部屋に一灯の蛍光灯の器具をつけることがほとんどです。
それも、シーリングライトと呼ばれる天井に直付けするタイプの物です。

ところがデンマークでは、一部屋に二灯以上の照明器具を置くことが一般的で、しかも天井には器具をつけない場合もあるようです。

照明は本来、部屋の用途によってプランされるべきなのですが、なぜか日本では、リビングもダイニングも、さらに寝室までシーリングライト一灯で済ませてしまうお宅が多いですよね。

それが悪いわけではないのですが、もっと照明の役割について検討してみると、今までとは違った考えも浮かぶのではないでしょうか?

デンマークなどの北欧諸国は、「冬が長い」・「夜が長い」という生活なので、自然と家の中にいる時間が長くなります。
外は暗くて寒い、ならば家の中は、温かく居心地の良い空間にしたい!
考えてみれば、自然な発想です


もちろん、文化も歴史も気候も違う国ですから、そっくり真似をすれば良いわけではありませんが、照明の役割については私たちももっと考えるべきだと思います。

【タスクライト】としての照明器具について考えてみませんか?

くつろぎを目的とした部屋で、部屋の中央と隅っこが同じ明るさである必要があるでしょうか?

天井に直接的な器具がなくても、間接照明で天井を照らす灯りや壁を照らす灯りがあれば、明るさは十分に得ることができます。

ソファに座って本を読むときには、手元を照らすスタンドライトやテーブルランプがあった方が良いでしょうし、部屋の奥行き感を演出したければ、部屋の奥のコーナーを灯すライトを置くと良いでしょう。

RIMG0082.jpg



一部屋に多数の照明を置くことは、デンマークの人にとっては当たり前のことのようで、決してプロの照明プランナーに依頼することもなく、自然に必要な場所に必要なあかりを灯しています。

間接照明の部屋で過ごしたことがなければ、直接光がないことに不安を感じるかも知れませんが、間接光の心地よさをを『経験』として知っていれば、そんな心配はいらなくなります。



家にいる時間を楽しく快適に過ごせるよう、時間をかけてお気に入りを探す

そんな 北欧の生活スタイルを真似したいですね。

気に入って買ったもの、頑張って手に入れたものは、大切に扱い、ながく使い続けることができると思います。

その物を使うことに豊かさを見いだせる・・・そんなものに囲まれて暮らせたら幸せですね


Wegnersチェア

<ハンス J ウェグナー の名作椅子たち>



ベアチェア

<ベアチェア>


普段、なかなかたくさんのイスやソファを座り比べる機会は少ないと思います。
(家具屋で働いていたりしない限り

アーテリアでは今後、できるだけ多くのイスやソファを紹介し、みなさんにその座り心地を味わっていただける機会を増やしたいと思っております。(期間を区切ったり、テーマを決めたりして、展示を増やしたり入れ替えたりという形にはなりますが)

まだまだイスの文化が浅い私たち日本人ですが、名作と呼ばれるイスに座る「経験」を増やすことによって、その良さを体で味わい、覚えていきたいですね。


    *予告*

       7月:ソファフェア

       秋頃:北欧の名作椅子フェア
           お楽しみに



(お)


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2010.06.05 | メーカー・ブランドのこと | トラックバック(0) | コメント(0) |












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